シトワイヤン、行こう!カナダへ

宝塚歌劇を愛しながらカナダへ留学する人のブログです。

ソーラーパワー!

8月21日はカナダで部分日食が見られる日でした。

そういえばネットのニュースでそんな情報を見たような気もするけれど、

当日にはすっかり忘れて普通に登校した私。

 

午前中の文法とライティングを担当する先生は、例えば

「warming up → grammer presentation →discussion」

みたいな感じで毎日その日の授業の流れをざっくりと

ホワイトボードに書いておいてくれるのですが、

21日の朝に書かれていたのは

「make a pinhole projector」

だけでした。そして机の上にはガムテープと段ボールが1箱。

ん…??

 

授業が始まるやいなや、申し訳程度にテキストの問題を数問解説した後、

「誰か、段ボールを切ってくれないか??」と協力者を募る先生。

言われるがままに切ったり紙を貼ったり穴を開けたりする我々。

数分後、かなり雑ではありますが日食を観察するための

ピンホールプロジェクターが出来上がりました。

そしてまた、言われるがままにその雑な装置を屋外に持ち出す我々。

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先生はいつの間にか帽子をかぶってサングラスをかけて、

なんかめっちゃ高価そうなカメラを持っている。

 

外へ出た時には既に日食が始まっていて、

抜けるような青空なのに少し薄暗く、「蝕」の雰囲気がよく感じられました。

早速ピンホールプロジェクターを使って見てみよう!と、

段ボールの穴の中を覗き込むと…

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………いや、小さい!!!!

分かりますでしょうか…白い紙の上に欠けた太陽光が映っているのが。

「あー欠けてるねー。」

「わかるわかるー。」

「でも小さいねー。」

と、感想をひとしきり言い合って、スマホには普通の太陽光しか映らないのだけど

せっかくなので太陽光をバックに皆で写真を撮ったりしました。

もう、文法の授業が終わる時間です。

先生は雑なピンホールプロジェクターには目もくれずに、

高価そうなカメラに日食観察メガネを取り付けて写真撮影に励んでいます。

生徒が飽きて勝手に教室に帰ってもお構いなしです。

…そろそろ私も室内に戻ろう。

 

もともと私はこういう天文イベントが好きなのと、

授業を放っぽり出して自然現象を観察するワクワク感が相まって

なんだか楽しかったです。

次のライティングの授業中、生徒が問題を解いている間に先生は

パソコンの画面にじっと向き合い、ほどなくして先ほど撮った日食の写真を

皆に見せびらかしてくれました。

綺麗に撮れていたので、何よりです。

気づけば3ヶ月

前に「1ヶ月ごとに振り返りの記事を書くと良いかもしれませんね」

みたいなことを自分で言っておきながら忘れていました。

完全に3ヶ月過ぎています。留学生活もとっくに後半戦に突入しています。

 

この1ヶ月はバンクーバーへ行ったり、ボランティア活動を開始したり、

授業の付いて行けなさに割と本当に落ち込んだり、

友人夫妻がビクトリアに来てくれて楽しい時間を過ごしたりと、

なかなか盛りだくさんだったような気がします。

 

日本から友人が来てくれた話題をもう少し引きずりますが、

彼女と過ごす中で、カナダにいる自分をちょっと客観視できた

瞬間がありました。回数で言うと2回ありました。

まず1つ目は、会話の中で友人から

「カナダに来て一番大変だったことって何?」と聞かれた時。

私これに即答できなかったんですよね。

考え込んだ挙句「学校での人間関係かな…?」みたいなことを

言ったのですが、学校での人間関係が大変なのって多分日本でも同じはず。

(あ、別に友人間でトラブルがあるとかではないですよ。

ただ、どうしても合う子合わない子がいるので、合わない子と一緒に

毎日授業を受けないといけないのが嫌だな、とかそういう話です。)

もしこれが渡航して1週間後に同じ質問をされていたら、

「お米がどこに売っているかわからない!風呂に湯船がない!

バスが時間通りに来ねぇぇぇぇ!!」

など勢いよく色々挙げられていたのかもしれません。

でも、こういうカルチャーショック的な大変さには幸い割と短期間で

慣れることができていて、結局最後まで残る大変さというのは、

自分の性格に起因するものなんだなと感じました。

日本で苦労していたことはカナダに来ても同じように苦労する。

 

2つ目は、友人とお別れする時。

そりゃ寂しいから「あぁ楽しい時間が終わってしまうねぇ…

日本に帰ったら仕事始まるねぇ…嫌だねぇ…」等と言い合っていたのですが、

そのとき私「明日からまた日常に戻るのかぁ…あぁ…」と言っていて、

そこで自分がもう完全に「カナダ」を「日常」と見なしていることに気づきました。

その日常が嫌なわけではないのですが、なんというか、

あ、もうハレの日じゃなくなってるな…と。

いつ来るか分からないバスを待ちぼうけて、

物凄い数のカモメの鳴き声を聞いて、

4リットルの牛乳が置いてあるスーパーへ買い物に行くのが、

今の私の「普通」になっているようです。

(あ、4リットルの牛乳は買いませんよ。デカすぎる。)

今なら逆に、日本のスーパーの陳列棚を新鮮な気持ちで見られる。

そんな気すらします。

この心境の変化は、今まで実家を出たことがなかった私にとっては割と発見でした。

たとえ海外であろと、しばらく住めば生活は整ってくるもんだな、という。

とはいえ、もっと長いスパンで見ればこの半年間の留学は、

人生におけるハレの日ゾーンだと思うので、

この「普通」を楽しみながら後半戦もやっていければと思う次第です。

友あり、遠方より来る

また楽しからずや!

 

というわけで、先週末は日本から友人夫妻が

遥々ビクトリアへ来てくれていました。

3日弱という短い滞在期間でしたが、ビクトリアの良さが伝わるように

頭をひねってプランを考え(といってもザックリしたものですが)

張り切ってご案内しました。楽しんでくれていたら、幸いです。

ルートは大体、これまでブログに書いてきた観光スポットの

ダイジェストをのんびりと巡る感じです。

しかし友達が留学先を訪ねて来てくれるというのは、

こうも嬉しいものですかね。特に私の場合は親ですら

「行こうかと思ったけどなんか面倒になったから止めとくわ。」

という適当な理由で結局来なかったので、

今回の友人夫妻のお出ましは本当に嬉しかったです。

 

カナダへ来てから少しはお友達もできたし、

日々それなりに楽しく過ごしているけれど、

やっぱり長年付き合いのある気心の知れた友人との

街歩きは安定感が抜群でした。

特に、小さな雑貨屋さんを一緒にのんびりと見て回れるタイプの

お友達がなかなかいなくて、いつも一人で歩き回っては店を開拓していたので、

今回友人と一緒に巡れたのが楽しかったです。

 

お別れの時は夕暮れのインナーハーバーの景色も相まって

それはそれは寂しかったけれど、

私は日本に良い友人を持っているなぁと実感できると、

それが自信になるというか、帰国までの2ヶ月半も

また頑張ろう、という気持ちになりました。

 

写真は、フィッシャーマンズワーフを臨む芝生でアイスを食べた後、

裸足で寝転がる友人と私です。のんびり過ごしてこそビクトリア。

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お城で会いましょう

実は私、先月から週1回のペースでボランティアを始めております。

家と語学学校の往復に飽きてきたのと、"居場所"とまではいかなくても、

学校以外にも自分が"行く場所"がほしいなぁ、

ついでに英語が使える機会もあったらなぁというのが主な動機です。

私はカナダで働けるビザを持っていないので、

Volunteer Victoria(http://volunteervictoria.bc.ca)というサイトで

ボランティアを探しました。

 

ビクトリア(というかカナダ?)はボランティアがとても盛んで、

上記のサイトにも、いや、探しきれへんわ!というくらい

たくさんの情報が載っています。

国民の奉仕精神がやたら強いというよりは、

ボランティアも就労経験の一種として履歴書に書けたり、

大学を決める時にもボランティア経験が評価されたりする社会のようです。

 

そして肝心の、何のボランティアをしているのか、という話。

 カナダに来てまだ間もない頃、こんな記事を書いたことがありましたね。

pitablog.hatenablog.com

 いま私、このクレイグダロック城で案内係としてボランティアをしています。

具体的には、訪れた人にお城の見て回り方を軽く説明したり、

何か質問されたら頑張って答えてみたり。

いやー、こんなヘボい英語力で採用してもらえると思わなかった。

 

さっきのサイトでお城の情報を見つけて、

書いてあった連絡先に「興味があるのですが〜」とメールして、

指定された応募用紙を添付ファイルで提出して、

インタビューを受けて(というかただの雑談だった気がする)、

先月下旬から活動を開始しました。

インタビューの時に何かをチェックされていたのかな。

ボランティアだから基本来る者拒まずなのかな。

よく分かりませんが、学校以外にも"行く場所"ができたので

ありがたいです。

 

スタッフの方々はもちろんネイティブだし、

他のボランティアの方々は留学生も多いけれど皆英語ペラペラなので、

ひょえーーーーーーーという気持ちになりますが、

できることから少しずつ、本当に少しずつですが頑張っています。

お客さんに何か質問された時に、(日本語でなら分かっているのに)

英語で上手く答えられなくて、

「ごめんなさい、他のスタッフに聞いてください」

と言わざるを得ない時がめちゃくちゃ悔しいし申し訳ないのですが、

もう、これは自分の力不足なので仕方ないですね。

こんな役立たずでも、スタッフの方々は

「ちゃんと案内できてたよ!大丈夫だよ!」と優しく励ましてくださるので、

本当にもう、ありがたいなぁという気持ちです。

 

そんな感じで、自分の英語練習のため、社会参加のため、

そして城内に漂うイギリス貴族感(=ヅカ味)を感じるために、

週1回お城に通っています。

ついに、カツ…!

ここのところ山火事(森が自然に燃えるやつ)の影響で、

空が常に煙っていて真っ白でなんだか残念です。

天気予報が晴れでも青空が見えず。これいつまで続くのだろう…。

 

ところで、どなたか覚えておいでの方はいらっしゃいますでしょうか、

私がカナダで食べたいな〜…と思いつつ食べられていなかった物を。

これこれ↓

pitablog.hatenablog.com

そうです、ずっとカツ丼が食べたかったのです。

しかし昨日、なんと、ついに、ビクトリアで、私、カツ丼を、食べました!!

わーーーーーー!!!!!

 

ダウンタウンの東の方、フォート通り沿いにある

「千鮨(せんずし)」へ、ご飯を食べに行きました。

店名に「鮨」と付いているので、もちろん色んな種類のお寿司があるのですが、

それ以外にもたくさんの日本食メニューがあるので、

お寿司屋さんというよりは和食屋さんです。

日本人が経営されているので、ちゃんとした和食が食べられます。

(いや、たまに日本食レストランと謳いつつ

謎にスパイシーな寿司を出してくる店とかがあるのですよ。)

 

お店の中はこんな感じ。

(今日も雑な写真ですみません。)

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あまり写っていませんが、扇子とか生け花とか富士山とか掛け軸とか、

NIPPON!な物が盛りだくさんです。

 

そして、カツ丼。

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器のサイズが思ってたより大きくてびっくりしたけれど、

レンゲが付いてきたのもとても意外だったけど、

ちょっと濃い目の味付けだったけど、

ちゃんと、私の知ってるカツ丼でした。美味しかったです。感激です。

注文する直前まで、久しぶりに天ぷらも食べたいな…と思って

ジャンボ海老天丼と迷っていたのですが、初志貫徹しました。

(海老欲は、友人とエビマヨをシェアすることによって満たしました。)

 

カツ丼もそうですが、大半の店員さんが日本人なので、

日本的な接客にも久しぶりに触れられて嬉しかったです。

こちらのレストランはテーブルごとに担当スタッフが決まっている形式なので、

時折その人が様子を確認しに我々のテーブルまでやって来ます。

いつもは「Is everything OK?」と聞かれて

「Of course!」とか何とか返事しているのですが、 

千鮨では「お味の方はよろしかったでしょうか。」と

丁寧に聞いていただけで、なんだか感動してしまいました。

わ、敬語だ…!敬語という概念がある…!みたいな。

あと、そうか「Is everything OK?」は日本語に訳すとこうなるんだ…!という。

 

旅行で海外を訪れるなら、現地のなんちゃって日本食の方が

面白いと思いますが、しばらく日本を離れていると、

こういうお店が骨身に沁みます。